歯科・眼科再生医療について

歯科と眼科は、高機能性素材や生体由来組織を使った機能の再生が、先進医療として承認されています。難治性の眼疾患への羊膜移植などの非常に革新的な技術も含まれています。今後は、色々な科での再生医療が進められていくでしょう。
インプラント義歯
歯が無くなったあとに、顎にボルトを埋め込んでその上に人工歯を被せるのがインプラント術です。審美矯正歯科でのものと、先進医療での『インプラント義歯』とでは、適応症が違います。
先進医療の対象とは、交通事故や癌手術などで顎の骨や歯が欠損した場合など、あるいは先天的要因で顎の骨や歯に障害がある、普通の入れ歯や脱着式のブリッジ装着が困難な場合などです。審美歯科では、何百万円という費用がかかります。
しかし、先進医療は1歯について18万9000円が手術費用で、材料代は23万1000円です。顎の骨の再建が必要ならば、使い費用がかかります。その為、自己負担額は変わってきます。東京医科歯科大学千葉病院など、56施設で実施されています。
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失われた歯周組織再生
歯周病で歯肉に炎症が生じると、歯槽骨(歯茎の骨)が溶けて、歯の根元が露出します。歯槽骨の再生は、保険適応のGTR法がありますが、二次手術が必要であるため、普及はしていません。
先進医療で承認されている「歯周外科治療におけるバイオ・りジェネレーション法」では、歯肉にフラップ(蓋)をします。
歯周組織の悪い部分を取り、歯のセメント質再生のためのタンパク質を詰めて、歯肉のフラップで覆うのです。この手術は簡単で、さらに成功率も高いものです。東京医科歯科大学付属病院など15施設で行えます。費用は、4万1000円です。
難治性眼疾患の羊膜移植術
羊膜を使った角膜の再生を行うものです。羊膜とは、子宮内で赤ちゃんを包んで、羊水を保持している薄い膜をいいます。羊膜は、50〜80μmの血管のない透明膜です。他人の組織でも拒絶反応がありません。再生医療の細胞シートとして研究が重ねられました。
羊膜と角膜(眼の表面を覆う透明膜)は、組織的に類似です。そこで、角膜再生に適しているのです。金沢大学付属病院など18施設が実施していますが、失明を避けることが目的です。費用は、5万7200円です。
審美歯科:美しさに焦点を当てた総合的な歯科医療のこと。
