高齢者医療確保法の概要とは？

高齢化が急激に日本では進んでいきます。医療や介護は高齢者にとって必要で、増加の一途をたどっています。日本では高齢者医療と介護を、同じ枠内、すなわち医療で賄ってきたのです。しかし、現在は高齢者の医療と介護が分離されました。各々の法律の下で運営されています。

高齢者医療確保法とは？

高齢者医療確保法(正式名称：高齢者の医療の確保に関する法律）の目的は、次の通りです。「国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画作成及び、保険者による健康診査などの実施に関する措置を講ずると共に、前期高齢者にかかる保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付を行うために必要な制度を儲け、もって国民保険の向上及び高齢者福祉の増進を図ること」です。

この法律は、2007年までに老人保健法として実施されていました。後期高齢者医療制度の発足に合わせて、2008年度より現在の名称に変更となったのです。この法律には、介護が含まれていません。｢医療事業｣「保険事業｣の2本柱で構成されます。｢医療事業｣の主体は市町村です。

75歳以上の高齢者と65才以上の障害者が対象となります。急性期医療や高度医療が必要な慢性期医療を分担します。｢保険事業｣は、要介護者にならないような体作りを推進します。そのために、健康診断や健康教育を推進しています。

介護保険法とは？

この法律は、要介護者などに対して介護保険制度を設けます。制度化で実施される保険給付などの必要な諸事項を定めているのです。老人医療･介護･福祉のための財源が破綻したために、政府はこのように老人医療と老人介護を完全に分離することを試みました。

試行錯誤を繰り返し現在の形になり、介護保険法に行き着いています。今は、多くの課題があります。しかし、介護分野には新たな社会保険方式が採用されました。現在の介護保険制度では、様々なサービスが受けられます。

加齢などの原因で介護を要する状態になった時、要介護者が尊厳を保ちながら、本人の能力に応じた日常生活を営むことができるように、利用者が選択して必要サービスが受けられるのです。介護保険サービスを受けるためには、自ら申請しなくてはなりません。要介護または要支援の認定を受けることが必要です。